夢があるということ。

夢とはつまり渇望だ。たとえば砂漠で三日間水を飲めなかった人間が、オアシスを目指して必死に歩くようなものだ。

―小野雅裕 “宇宙を目指して海を渡る”

小野 雅裕 東洋経済新報社 2014-04-25
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by ヨメレバ

いよいよ、最終回となりました。

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このブログを開設して、1年間半、私のスタンフォードでの旅路にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。スタンフォードでの学生生活は波乱万丈で、予期せぬ出来事も多々ありましたが、その度に周りに支えられ、ついには最終回を迎えることができました。

この場をお借りして、皆さまに心より御礼申し上げます。

最後ももちろん長文になりますが、お付き合いください。


まず、このブログを通して、たくさんの方と知り合うことができました。ブログを紹介し合ったり、スカイプをして、お互いに情報交換をさせていただいたり。また、スタンフォードへ下見にくる進学希望者たちには、僭越ながら私のブログのことをお伝えさせていただきました。奨学金やGRE対策等、これを見てくださいと言えば事足りたので、何度も同じ話をせずにすみ、ブログを作っておいて良かったと思うことも何度もありました。

そして、最近とても嬉しかったことのご紹介。

スタンフォードをはじめ、海外大学院の進学を希望されている大学生TSくんを知人に紹介され、キャンパス案内を行った後のこと。フェイスブックで私のブログをこのようにご紹介くださりました。

スクリーンショット 2015-07-14 6.28.53 PM

こんなに嬉しいことを言ってくれました。ありがとうTSくん。

こういう言葉がどれだけ私に勇気を与えてくれたか。

ちなみにCOHOというのはスタンフォードキャンパス内にあるカフェです^^

いっときは辞めようかと思うこともありましたが、こうした縁をくれたこのブログにも、やっぱり感謝です。


最終回に、ちょっと熱く語りたいことがあります。

それは「夢」について。

ときどき、「夢があることが羨ましい」と言われることがあります。

確かに、17の時から私にはブレない「夢」がありました。世間ではよく「夢はかなわないもの、目標は手が届くもの・かなうもの」と言い、だからこそ「夢ではなくて、『目標』という単語を使いなさい」と言います。
ただそれは、到達点との距離感を表しているのだと思います。今でこそ、国際機関の教育分野で働くことが「目標」と言える程度の射程距離範囲内に立っているのかもしれませんが、高校生の私にとって抱き始めた想いは、確実に「夢」でした。「夢」以外、何ものでもありませんでした。

そして同時にそれは、かなうのか全く保証のない長い長い旅路の始まりでした。

最初に引用したように「夢とは渇望」だと痛感します。
自分にとってその「夢」が、常に最優先事項となってしまう。一日一日の日常が、その長い旅路の「過程」になってしまう。だからこそその分、傷ついたこと、傷つけてしまったことだってあります。「犠牲」というと大げさかもしれませんが、「夢」のために諦めたことだって、もちろんあります。

それでも、気が付くと、自然と、「夢」に近づく選択をしてしまうのです。

そんな自分が、ある時、世間の大多数とは少し違うのかもしれない、と気付くきっかけがあり、葛藤したり、悩んだりしてしまうことだってありました。

今でこそ、「夢」の過程で、外から見たら輝かしい成果を出しているように見えるのかもしれませんが、本当に人生、色々ありました。
食べ物が喉を通らない時期だって、人と会えなくなってしまった時だって、電車でただただ泣いていた日々だって、そして、笑顔が消えてしまう期間だって、ありました。私はスタンフォード進学数年前に一度、本気で「夢」を「諦めた」時がありました。

本当です。

その頃は、違う生き方を模索し、ノートにこれからどうしたら良いのか、色々と書き出し、新しい人生設計をたてていました。

それでも、心の底には「夢」がありました。手の届かない「夢」が。

そうして冬眠している間に、少しずつ、少しずつ、時間をかけながら、自分自身で決断をしていきました。
そうこうしていると、幸運にも恵まれ、人生の流れが変わり、導かれるように「夢を抱くこと」が許される環境に戻ってきました。

人生、一度諦めたものがまた目の前に飛び込んできた時、「もう二度と手放したくない」と本気で覚悟をするものです。

その覚悟の下、がむしゃらに勉強をし、今に至ります。

それでも「今」だって、まだ「夢」には到達していません。まだまだ途中です。旅路の「過程」でしかありません。

ただ、ひとつ言えることは、もしこれで「夢半ば」で諦めなくてはならないことが、たとえあったとしても、私は後悔しません。それは、ここまで、がむしゃらに、時に回り道をしながら、それでもまっすぐに自分の道を一歩ずつ一歩ずつ歩んできたから。

ここまで17歳の自分に愚直に生きてきたことが、なんだかもう、誇りです。


さて、それで気になる今後について、です。

実は、スタンフォードを卒業後、日本へ戻ってきました。現在も、都内でこのブログを書いています。

日本の幼児教育・保育業界をリードする企業に、「研究員」として就職しました。

というのも、スタンフォード卒業2ヶ月ほど前、ちょうど今後のことを考えていた時のこと、大変尊敬している先生から「日本へ帰る気はあるのか」と突然、尋ねられました。詳細を聞くと、日本の企業とスタンフォードで共同研究を行う話が出ているが、そのためには日本の企業側にも研究のことがある程度わかっていて、一緒に動ける人が必要になってくる、とのこと。そこで、日本語ができて日本の文化等がわかっている唯一の日本人学生の私に、お声掛けいただいた、という経緯になります。

実を言うと、卒業間近は、やはり途上国の教育政策に携わりたい!という思いが沸き起こっており、色々とそちら方面へもアプローチしようかと考えていた矢先でした。ただし、尊敬している先生とこれからも一緒に仕事ができる、しかも給与をもらいながら研究に励める、と思うと、千載一遇のまたとないチャンスです。

このような縁で導かれるような就職があるとも、ましてや教育に関する研究が比較的少ない日本で、研究員としての就職先があるとは、全くもって思っておらず、驚きました。

人生は良くも悪くも思い通りには行きません、ね!!

日本へ帰って来て、仕事を始めた今、毎日がとても楽しく、充実しています。就職した企業の研究所では、同時にハーバード教育大学院の教授とも共同研究を行うため、ハーバードとの研究も、携わらせていただいています。

毎日が、エキサイティングです!

そして、しっかりとした研究成果を出し、日本の教育にも良いインパクトを与えられるよう精進いたします。

ただ、もちろん、私の「夢」はかわりません。2年程度してこの研究に目処がついたら、南米へ渡り、そして、今度こそ、本当に今度こそ、途上国の教育政策に携わる予定ですっっ!!!

まだまだ、一日一日が、私の旅路の過程です。

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<私と同じように、自分の「夢」を抱いている方々へ>

これは私の持論ですが、「夢」を具体的に思い描いて20年間はまっすぐに夢に向かって進んで良いと思います。というのも、20代半ばになると同世代のスポーツ選手が活躍したり、多方面で同世代のニュースを嫌でも目にするようになってきます。もちろん私も焦ることもありました。ただ、そんな時に自分に言い聞かせていたのは、スポーツ選手は、小学校へあがる7歳くらいに皆だいたいそのスポーツを始め、10年後の17歳頃に才能が認められるようになり、選手生命花盛りは20代後半、だいたい20年後ではないか、と。それであれば、私も本格的に勉強を始め、「夢」を抱いた17歳をスタートとすると、20年後、37歳で花盛りのキャリアを築いていれば良いではないか、と。

そう考えると少し肩の力が抜け、日々に余裕ができた時のことを鮮明に覚えています。

ですので、決して焦らずに、自分のペースで、自分の目標や夢に、一歩ずつ、一歩ずつ、自分の足で歩んでいってください。

急がばまわれ、です。

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最後に、1年間私が愛用したものたちと、寮をバックに。

こんなところに住んでいました。
スタンフォード生活必須の自転車とMacBook Air、学生らしくリュックやフラットシューズ、ウォーターボトル、そして、音楽スピーカー。私の学生生活の必需品たちでした。

今、改めてこの写真を見るとうるうるしてしまいます・・・


以上、長い間、お付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

これにてこのブログを終了いたします。
今後もこのブログは見られるようにしておきますので、少しでもどなたかのお役に立つことを願いつつ・・・

Thank you! Wishing you all the very best.

2015.9.23

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学部生の課外活動。

しばらく空いてしまいました。以前宣言したとおり、スタンフォードの寮から追い出され、現在は新生活を送っています。新生活については、最終回でお伝えする予定です。あと数回ほどお付き合いください。

さて、ブログ終了前に書きたかった記事、その1。

スタンフォード生の課外活動。

・・・と、言っても、大学院生は年齢も比較的上だし、社会人経験のある方がほとんどなため(理・工学部は若めですが)、課外活動といってもあらゆることを各自でされているので、ここでは触れません(それこそ自分の会社・NPO・学校を経営/運営している人もそれなりの確率でいます)。

ここで、書きたいのはスタンフォード学部生たちの、いわゆる部活・サークル活動です!

大学院生だった私はそんなに詳しくないのですが、私がスタンフォードで生活していくうえで、縁のあった活動たちをちらっとご紹介させてください。勉強が忙しい合間に、校内でエンターテイメントに触れる時間は、とても貴重でした。

スポーツは言わずもがなですね。アメフト・バスケはやはり人気です。スタンフォードはゴルフも強いです。タイガー・ウッズやミッシェル・ウィーもスタンフォードの学生でした(タイガー・ウッズは中退)。
あとは、たまたま知り合った学部生でいたのは、ボート・水泳・飛込競技など。やはり天気の良いスタンフォードならでは、です!日に焼けた若いアスリートな体型は、かっこいいの一言ですね。

あと、何度か聞いたのは、自分の得意な言語を教え合うサークル。例えば、日本人であれば日本語を教える替わりに、他言語を学ぶだとか。仕組みを詳しくはわかっておりませんが、皆、学びに対して貪欲です。

それで、このブログで何を一番に言いたいかと言うと・・・

文化系のエンターテイメントは、ものすごくハイレベルで、学内にいながらして、感動・感激!

・・・ということなんです。

ここからは写真に語ってもらいましょう。

(さらに…)

進学後の人脈について。

いよいよ、1週間を切り、あと数日で、本当にあと数日で、スタンフォードの学生寮から追い出されます(涙)

昨日、スタンフォードでの最後の授業が終わりました。特にファイナルはない授業なので、その授業をもって終わりになります。外部者が多い夏学期の授業も、最後まで楽しく学び多い時間でした。

ちなみに夏学期は、通常の学部生は皆夏休みなので、学生寮からは追い出され、代わりに短期で外部の方々が、夏の間だけ寮に住み、外部の方も履修可能な授業が開講されています。もちろん院生(特にPhDの学生たち)は、夏の間もラボで研究活動を行わなければならないため、夏もずっとキャンパスにいます。

そのため、夏学期のスタンフォードキャンパスも人が多いものの、いつもとは少し違った雰囲気です。スタンフォードキャンパスを利用した別団体が行う小学生向けのイベントや、中高生たちの合宿等々が広大なキャンパスのあちらこちらで開催されているため、ちびっこたちも自由にキャンパスを駆け回っています。自転車通学の身としては、冷や汗がでること多々あり。


さて、以前から宣言していた最近の人脈について、記録させていただきます。

人脈については受験期進学前のタイミングでも投稿しておりましたが、いよいよ進学後の人脈について触れていきたいと思います。

(さらに…)

受験(GRE)について。おまけ。

さて、私のブログ上で最もアクセス数が高いページは、なんといっても、GREの受験勉強の記事(参照:『受験(GRE)について。』)。ということで、今回は、GRE対策の最新情報です。

話はつい先日、友人とGREについての話が盛り上がった時に遡ります。

(さらに…)

Commencement.

すっかり遅くなりました!が、いよいよスタンフォードの卒業式について、投稿します。

どーん。

IMG_2598この達磨は、渡米時に中学時代の親友たちがお祝いにくれたプレゼントです。
大事なものなので、しっかり一緒に渡米しました(もちろんかさばりました)。
もう片方の目は、私の大きな目標が達成した時に、その親友たちの前で塗りたいと思います。

ちなみに、題名のCommencementは、graduationとともに「卒業式」に使われる単語です。Graduationが直訳なのに対して、commencementはnew beginningという意味になります。素敵ですよね。私は卒業式としか知らず、new beginningという意味は知りませんでした。私が前職を退職する際に、代表の方からそっと教えていただきました。思い出深いエピソードです。

さて、少し前になりますが、去る2015年6月14日、日曜日、スタンフォードの卒業セレモニーに参列してきました(こちらでは、卒業式に出席することをwalk in the ceremonyと表現します)。

もちろん、黒いガウンと帽子を装備します。学士、修士、博士、それぞれガウンの形が違います。博士は帽子すらも違い、もう少しゴージャスです。修士と博士は、ガウン以外にもフードをつけます。これらは事前レンタルになります。(そして帽子以外は、終了後、返却。)

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水色と赤いラインが入った首掛けが「フード」になります。赤はスタンフォードの赤。水色は教育大学院限定の色になります。他の大学院卒業生は、水色の箇所が違う色のフードになります。

ドレスの上にこれらを身につけて、当日は8:45にアメリカンフットボールスタジアム脇の修士卒業生待機場所へ集合。まず最初はスタンフォード全体のセレモニーです。
私のプログラムの皆は、その前に近くのピクニックエリアに自主的に集まりミモサ(スパークリングワインとオレンジジュースのカクテル)で乾杯してからスタジアムへ向かいました。洒落たメンツです。

集合時間と場所以外は何も事務連絡もなく、ただひたすらに待ち(その間は嵐のような写真撮影)、10時少し前くらいでしょうか、突然、御一行が動き出します。途中で念のためスタンフォードIDをひとりひとり提示させられたりしながら、どこに向かっているのか全くわからず、ただひたすらに前の人の背中を追って歩いていると、突如トンネルになり、トンネルを抜けると、そこは雪国ならぬ、こんな光景が目の前に広がりました。

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スタジアムの観客席には保護者や関係者で埋め尽くされ、優美な音楽とともに私たちは卒業生の席へ着席します。

スタジアム内に入った途端は、圧巻でした。あの時の興奮は一生忘れることはないでしょう。日本から駆けつけた私の家族もここのどこかにいたのでしょう。

当日の式全体のビデオが下記リンクにあります。興味ある方はぜひ。ちなみになんとグラサンかけた私がビデオの32分ちょうどに手を振りながら登場します(笑)※学部生はこのセレモニーに仮装して参列するのが恒例のようです。最初は学部生の入場なので、驚かないように。31分15秒から大学院生の入場になり、テロップも入ります。
https://commencement.stanford.edu/ceremony-video

今年の卒業式についての数値をご紹介。(大学関係者は関心あるはず)

<第124回卒業式>
学部卒業生  1,704名 うち留学生117名/40カ国
大学院卒業生 修士2,338名, 博士984名 うち留学生1,044名/ 82カ国

※これも上記ビデオ57分40秒からの学長スピーチの冒頭で告げられる数値です。

上記ビデオに当日の特別ゲストのスピーチもあります(そうです、Steve Jobsが2005年に講演した、かの有名なスピーチは、ここスタンフォードの卒業式で行われました。参照:『改めて自己紹介。』)。ゲストは、スタンフォード学部卒業生のジャーナリストの方で主に中近東のニュースで活躍されています。プレゼンは上手でしたが、内容としては、個人的には前日に行われたBaccalaureateというこれまた卒業祝賀会でのゲストのスピーチの方が好きでした。ちなみに前日のイベントでは、スタンフォード和太鼓クラブが演奏していました。上手だった!思わず日本の文化に触れられて、じーんとしました。

何はともあれ、11:30頃に大学全体のセレモニーは終了。その後は、各学部/研究科ごとの授与式です!!!


私はもちろん教育大学院の授与式に参列します。
こちらは教育大学院だけなので、もっとこじんまりとします。会場は野外!前日の下見の時の写真です。

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この日は、このような特設ステージがキャンパスのあちらこちら(なるべく木陰)に、設置されます。

上述した大学全体のセレモニーでは、学部/研究科ごとに着席する範囲が決まっているだけで、個人ごとには指定されていませんが、もちろんこの教育大学院の式では、ひとりひとり席が指定されています。

ばばん。
seating授与式開始前。

この授与式では、所属に特化した専門にちなんだ講演があり、そして最も印象深いのが、卒業証書授与式です。大学院生は、冒頭に説明した「フード」を、ガウンの上にかけてもらう、「フーディング」という恒例があります。全ての大学院では行わないようですが、教育大学院はさほど大きくないので、卒業生全員に行います。

今度は、フードを外した状態で待機し、名前が呼ばれたら、ひとりずつお世話になった教官にフードを手渡し、帽子の上から首へかけてもらいます。

私もお世話になった担当教官にかけていただきました。

言葉には表せられない感情でした。達成感というか、感動というか、感謝というか。

実は、この授与式へ入場するための行進中に一番感極まってしまいました。

いっときは本当にどうなるかと思った大学院留学。

こうして、卒業式に出席ができ、優秀な仲間たちと肩を並べて、大事な人たちに見守られての授与式。

この日を迎えられたことが、自分の中で大きな大きな自信になりました。
あぁ、「幸せ」とはこういう瞬間のことを指すのだろうと、しみじみするほど、本当に幸せでした。

きっと一生忘れることのない、特別な特別な1日になりました。

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ちなみに、夏学期(8月中旬)までスタンフォードでの勉強は続きます!

鳥になる。

スカイダイビングしました。

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春学期もなんとか終え、日曜日はいよいよ卒業式です。
(何度も言いますが、8月まで学校はあります)

昨日、日本から家族が来米しました。家族孝行しつつ、束の間の休みを満喫したいと思います。

 

スカイダイビングは人生に一度はしたかったこと。

こんなに早く、しかも突然に、その機会が訪れるとは思っていませんでした。

人生観かわったような、かわってないような?!

最高でした。

 

ブログ、書きたいことは山ほどなのですが、ご容赦を。
夏学期はこれまでほど忙しくないはずなので、頻繁に更新できるはず?!
もちろんスタンフォード生活とともにこのブログも終了です。

公私共々、ラストスパートです。

てっく(+高等教育)。

現在、ファイナル目前期で、ひたすら勉強勉強勉強の日々です(ブログは気分転換♪)。週末なんて関係なし!むしろ授業がない分、ひたすら勉強に集中できるので、平日以上に勉強しています。あと1週間を乗り越えたら、今学期が終わり、卒業式!私は卒業式後も8月までは授業を履修しますが、年に一度の卒業式には卒業見込み状態で参加することになっています。スタンフォードの卒業式ドキドキ。もちろんたくさん写真を撮ってアップします!

さて、本題の前に最近のプレゼンについて。

ここ2週間で4つのプレゼンをしました(ひー)。そのうちのひとつが日本の高等教育についてでした。
というのも、『Higher Education and Society/高等教育と社会』という授業を履修しており、主にアメリカの高等教育の歴史、ガバナンス、課題、そして未来について、6名のクラスメート+教授と毎週ひたすらディスカッションを繰り広げています。6名という少人数のクラスなので、授業ごとに生徒ひとりずつ高等教育に関する何かをプレゼンすることになっていて、私の番では、テーマは当然『日本の高等教育』でした。10分程度の気楽なプレゼンなので、深堀りはできませんでしたが、前職で得た知識や前職場のアニュアルレポートのデータを駆使して、現在日本の高等教育ではどのような課題があがっているのかを紹介してきました。

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タイトルページ。
テンプレートは、憧れの方の真似です(≧∇≦)

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内容一覧。
矢印の意味が気になる大学教員/職員の方は、ぜひ日本私立大学連盟の『マネジメントサイクル(PDCA)修得研修』へのご応募を(≧∇≦)

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エンディング。
お辞儀顔文字、ウケます。
他のプレゼンの終わりにも入れていましたが、どの授業でも毎回ウケます。
どさくさに紛れて日本文化紹介ということで(笑)

想像以上の先生&クラスメートたちの食付きに、延長の延長の末、質問の対応等も含めると30分以上プレゼンしていました。

いやぁ、やはり自分が詳しい内容をプレゼンするのは爽快ですね!他のクラスでのプレゼンでは、アフガニスタンの平和構築についてだったのですが、明らかに先生の方が詳しいので、タジタジするし、質問も恐怖でしかありませんが、日本の高等教育についてなら、スタンフォードいち詳しい自信があるので(笑)、なんでもこーい!って感じでした。どーん。
あー楽しかった。

ちなみに、この授業、先生が毎回なんと夕食を買ってきて皆で食べながらの授業という(≧∇≦)といっても、午後5〜8時までと3時間(週一回)なので、終わる頃には毎回ヘトヘトです。宿題も半端ではありません。この授業のおかげでリーディングとライティングがものすごく効率よくスピーディになりました。とても楽しい授業でした(労力のわりに3単位しかもらえませんが)。あと1回で終わってしまうのが、本当に悲しい(TOT) そして、私やはり高等教育好きだなぁと実感。

ところで、スタンフォードの高等教育がどうなっているかが気になる方は、私の素敵な先輩のご著書をぜひ!
スタンフォードの学長インタビューから始まり、スタンフォードの歴史、ガバナンス、各デパートメント、日本人学生インタビュー等々、必見の情報が満載です!日本の高等教育関係者の方は必読です。

スタンフォード21世紀を創る大学 [ ヨウコ・ホーン・カワシマ ]

さて、いつものごとく脱線しましたが、前回の『いのべーしょん。』に引き続き、今回は『てっく』=テクノロジーについて!

スタンフォードだからか、シリコンバレー近辺だからか、アメリカの大学だからか、とにかく日々の生活にスマホを媒体にしたテクノロジーが必需品です!今回はそのご紹介^^

1)2-step authentication
大学の学生専用ページにログインする際は、IDと、なが〜いパスワードのみならず、スマホを利用して、2段階式認証システムが求められます。専用のアプリをダウンロードすると、1分毎に変わる6桁の数字が表示され、それを入力しないとログインできません。携帯を忘れると大変(*_*; ちなみに自分が普段使っているパソコンで、キャンパス内のスタンフォード関係者のみ利用できるWIFIを使っていると、2段式認証システムが何回か免れます。でも、しばらくするとまた求められるので、「きたっ!!」って感じで、皆携帯を取り出します。。。(学内には、ビジター用のWIFIもとんでいます)
もちろんスマホを持っていない人用に、毎回テキストメッセージで数字が送られてくる方法や、携帯がない人用の対応もありますが、私の周りは100%スマホなので、他の方法を使っている方は見たことがありません。

2)uber
ウーバー。最近ウェブサイトで日本語表示もされるようになったので、日本にもあるようですが、新しいタクシー形態です。スマホのGPS機能を利用して、自分がいる場所にタクシーが来てくれます。事前登録時にクレジット/デビットカードの情報を登録しているので、乗車時の支払なし、チップもなし、ということで、本当に便利です。値段も通常のタクシーと比べて格安!特に私は車がないので重宝しています。車がある人でも、今日は飲むぞ!という時は、uber使用。ここではuberは動詞です。”Should we uber?”なんて当たり前の会話です。他に競合他社でLyftがあるようですが、使ったことはありません。

3)postmates
ポストメイツ。事前登録型のデリバリー。ありとあらゆるレストラン/お店と提携していて、頼むと、デリバリーの方がピックアップして、これまたGPSの現在地まで届けてくれます。これもクレジット/デビットカード事前登録型なので、その場でのお金のやりとりは一切なし。合計額は、商品代+サービス料+チップ代になりますが、商品代以外の上乗せ分もそこまで高くないので、頻繁に利用しています。今日は徒歩圏内にはないベトナム料理が食べたい!とか、美味しいブランチしたいけど、外出する時間がない!という時など。グローサリーもOKです。私はグローサリーでは使ったことがありませんが、寮生はかなり使っています。本当に便利な時代ですね。アプリも本当に使いやすいです!!
他にも競合他社アプリがたくさん。私のルームメイトはgrabhub派です。もちろんグローサリはGoogle Expressもかなりの利用率です。良くGoogle Express専用車をキャンパス内で見かけます。

4)yelp
ヤェルプ(カタカナ表示わからない(笑))。これは以前オフィスに遊びにいったことを紹介しましたが(参照:『シリコンバレーパワー??』)、アメリカでは絶大の人気の口コミサイトです。レストランのみならず病院やら美容院/スパやら車の修理場やらとにかくなんでも検索できます。日本にも上陸して1年経ちますが、どれくらい普及しているのか気になります。こちらでは、キャンパス内の小さいカフェまで登録されていたりします。

5)spotify
スポティファイ。たぶんまだ日本には上陸していませんが、オンラインでありとあらゆる音楽が聞けます。アメリカ大陸とヨーロッパの国々はほぼ参加しています。アジアはフィリピン、台湾、香港は参加している様子。音楽がプレイリスト化されているので、勉強に集中したい時など、FOCUSというプレイリストを選択したり、歌詞のないジャズだったり、クラシックだったりその日の気分に合わせて高頻度で利用中です。もちろん最近のトップリストも聞けます。私はFacebook経由で登録しているので、その時友達たちがどんな音楽聞いているのかがわかったり面白いです(私は秘密主義(笑)なので、オープンにしない設定にしていますが)。

6)ハードウェアはマック(アップル)
私の周りでは85~90%は皆マックです。私はMacBook Airですが、Proも半々くらいでしょうか。ただ、これはあくまで文系で、エンジニアリング側のキャンパスへ行くとWindows/Linux率が上がります。皆、Windowsのみに対応しているアプリケーションでプログラミングをしなければならないからの模様。それでもなんとかハードはマックを使い、ソフトをWindowsと切り替えている学生もいます。

7)java
これは私についてになりますが、実は先学期スタンフォードで一番受講率の高いと言われるプログラミングの授業(CS106a)を履修しました。言語はjava。全くもって初めてでしたが、本当に面白かった。10週間後にはなんと簡易版Facebookを0から作ったりしていました。プログラミングとテクノロジーの可能性を痛感した10週間でした。
ちなみにこの授業、毎学期提供されていますが、毎学期700名くらい受講します(Computer Science分野の大学院レベルの初歩クラスとなっていますが、履修生は学部生がほとんどです)。私の学期では、全く同じ授業が午前/午後と、約300名/400名と分かれていました。ただ、この授業、CSということだけあって、もちろん全ての講義がネット配信されます。履修中の学生にしか見られませんが、教室に行かなくてOKです。教授に直接質問したい学生や、時間割通りに授業を受けたい学生は毎回教室に顔を出していたようですが、私もときどき以外は全てオンラインで講義を受けました。オンラインだと好きな時に、好きな速度で、何度でも見られるので、本当に役立ちました。特に特定の技術を教わる箇所は何度もリピート再生です。それ以外の説明箇所は1.6倍速とかにして聞いていました。スタンフォードの学生以外にはオープンではないので、今流行りのMOOCsとは違いますが、私にとって、次世代型の授業でした。ちなみにスタンフォード工学系ではかなりの授業数が履修生向けにオンライン化されている様です。(残念ながら文系授業では聞いたことがありません。たぶんディスカッションが授業のメインになるからオンライン化はできないのかも。)
ただ、その分、教授たちの教授方法も録画されていることを意識してかなり研究されていますし、講義も既にパフォーマンスの域でした。ちなみに私が履修したjavaの先生は、私よりも年下で、25才くらいなのですが、この授業をかなり改革して、スタンフォード内では有名な方の様です。いやぁ、ものすごい方でした。これ以上はプログラミングは深堀りしませんが、スタンフォードでのプログラミングの経験、一生ものになりそうです。

もちろん、授業以外にはTA(ティーチング・アシスタント)と学生10名程度の小さいセッションが毎週1時間あり、セッション以外でもTAとは毎週20分は1対1で会って、課題に対するフィードバックの時間は必須でした。大人数での講義授業だけで終わらないのが、アメリカの高等教育です。

※以前TVで拝聴したSteve Jobsのインタビューで、ジョブス氏が『これからの時代、全員、どこかのタイミングでプログラミングを学ぶべきだ』と主張していたのが履修するきっかけになりました。教育大学院、ビジネススクール、バイオ系の大学院生も多数履修しています。今は◯◯テック会社が流行っていますものね。教育で言えば、エドテック。シリコンバレーにも多いです。

以上、メカ女の私がずっと温めていた投稿でした〜!m(_ _)m

沈黙。

大変大変ご無沙汰していますm(__)m

何も言わず突然消え、更新せず、申し訳ございませんでした。特に、せっかくこのブログ経由で私のことを見つけご連絡をくださったにも関わらず、タイムリーに対応できなかった方々には、深く深くお詫び申し上げます。
また、万が一にも、このブログを楽しみにしていてくださった方がいたのであれば、期待を裏切り、心苦しい限りです。ごめんなさい。


さて、これまでの沈黙を破ります。

公にすることについて色々と考えましたが、隠すようなことでもないし、他にも同じ境遇の方々の力にもしかしたら少しでもなるかもという願いを込めて、胸を張ってカミングアウトします。

私、バセドウ病です。(英名:Grave’s Disease)

2009年に歌手の絢香さんが発表されたのと同じ病気です。他にも水泳選手の星奈津美さんも患われ、今年(2015)の1月に手術されたことを公にされています。また、母が教えてくれたのですが、つい先日、歌手の岩崎宏美さんも公表されたのだとか。

絢香さんが公表されたため、私もなんとなーく病名と甲状腺にまつわる何かくらいは知っていましたが、症状についての知識は皆無でした。もし知っていればもう少し早く病気のことに気付けたのかもしれません。
どうやら女性には珍しくない病気で、人口の1〜2%は患っているのだとか。また、バセドウ病は20代後半〜30代に発病するケースが多いようで、私もその典型です。原因は不明です。遺伝性とも言われますが、私の親族内でバセドウ病のことは、聞いたことがありませんでした。

超長文になりますが、以下に「症状」、「診断までの道のり」(長文)、「治療法」、「その後/私見」、「感謝」の5つのパーツに分けて、記載していきます。

【症状】
この病気は、甲状腺ホルモンが過多状態となり(甲状腺機能亢進症)、その影響で様々な症状が出ます。

ちなみに甲状腺とは喉内の下方にある器官です。甲状腺ホルモンは新陳代謝等の役目を担っているため、そのホルモンが増え過ぎてしまということは、寝ていても、座っていても、身体が常に疾走している状態になってしまっている、ということになります。

どうやら細かい症状は、ひとりひとり違うので、私の場合の症状を記録します。

・極度の疲労
・激しい鼓動(特に寝る前等に静まった環境にいると、ドクドクという音と違和感がありました。脈拍も座っている状態で130程度ありました)
・多汗(本来から汗っかきなのですが、比較にならない程でした。少し歩いただけで、尋常ではない汗の量でした)
・手足の震え(私は足にもかなりきました。立っているのがやっと、というくらい)
・皮膚のかゆみ(一過性のかゆみが2日程続いたことがありました。特に湿疹等もなく、夜中に突然皮膚全体がかゆくなり、寝付けないほどでした。その2日間だけでしたが)
・食欲増大/過食(エネルギーを常にものすごい勢いで消費しているので、本当にひたすらお腹が減り、食べても食べてもお腹が減っていました)
・体重増加(体重減少が症状としてよく取り上げられますが、私は過食により逆に増加しました。比較的若い女性にみられる傾向のようです。エネルギー消費ももちろん通常以上なのですが、この頃の食欲は半端ではありませんでした)
・過眠(本来はそんなに眠らないタイプで、目覚めも良いのですが、病気になってからひたすら寝てました)
・イライラ、不安
・集中力、やる気、興味、思考力の低下

という、ざっとこんな感じでした。考えてみれば、このブログにも緊張した時にものすごく足が震えたことについてや、渡米して間もないのに日本語力(思考力)の低下について触れていました。常に頭の中が曇っている状態でした。そして、上記の症状が日に日にひどくなっていきました。

【診断までの道のり】
多汗や震えなど、わりと渡米初期からあったものの、それよりも精神面への影響が顕著だったので、周りからもキャンパス内のカウンセリングへ行くことを勧められていました。実は、前回のブログ更新の翌日に日本にいる祖父が亡くなり、そのショックもあり、カウンセリングへ足を運びました。アメリカはカウンセリングにとても積極的ですし、心にあるものを吐き出すことを重要視しています。そのため、特に何もなくてもわりと一般的に周りの皆も通っています。私は疲労感、やる気・集中力のなさ、不安感、過食傾向、過眠傾向を訴えました。そうすると、うつ病と誤診され、抗うつ剤を勧められました。それはそれで、躊躇しつつも、良くなっていく気配もないので、一時期服用しました。しかし、全く効果がなく、むしろひどくなっていく一方でした(原因が違うのだから、仕方ありません)。

元気の良さと健康が取り柄の自分だから、まさか身体が病気だとは夢にも思わず、心の風邪だと周りも自分も思っていました。もちろんそれはそれで辛いのですが。

私は本来、目覚めも良く6時間睡眠の体質にも関わらず、その頃は目覚ましを何度もかけて、やっとのことで朝、目を覚ましても、ベッドから降りて顔を洗わなきゃと思うだけで、ものすごい疲労感/倦怠感に襲われ、授業にいかなきゃ・・・と思うと恐怖心にさいなまれ、横たわったまま「誰か助けて・・・」と本気で毎朝思っていました。それと同時に自分の意志で決断し、勉強して仕事を辞めて進学したのではないかと、自分を叱責し自己嫌悪に陥り、涙が出る、そんな毎朝を送っていました。もちろん日中も2〜3時間起きているだけで、ものすごい疲労/眠気に襲われ、とにかく横たわりたくなる、という感じでした。シャワーを浴びるのも疲れるので、長かった髪を40cm以上も切りました。髪を洗う/乾かす/手入れする労力を少しでも減らそうと。あまり言いたくありませんが、正直、勉強にも支障をきたしていました。そもそも英語だって日に日にしゃべり辛くなっていき、こっちきてから下手になったと周囲に愚痴をこぼしたりしていました。

そんな日々の中、多汗や震えも自分で勝手にきっとうつ病のせいだろうと思い込んでいました。「ストレス」というと良くも悪くも全てが説明できてしまいます。

しばらく続けたカウンセリングもなんだかしっくりこず、不安ばかりが募る頃、リストにも記載した皮膚のかゆみの症状が出ました。2日間で治まったものの、さすがにこれは身体がおかしいと思い、自分を奮い立たせて(なんてたってひたすら疲れている状態)、キャンパス内のクリニックへ行き、医師に相談すると「それもきっとストレスの影響だから様子を見ましょう、また症状が出たら教えて」と言われました。ここでもやはり「ストレス」とまとめられてしまう。ただ、最後に、「もし心配なら血液検査受けてみても良いですよ、スタンフォードの学生保険に入っていれば無料ですし」と言われ、無料ならばと思い、血液検査を受けてみました。

結果、TSHという甲状腺ホルモンにまつわる数値が、測定不能なくらい異常だったのです。

この結果を見て、すぐに医師から連絡が入り、私を不安にさせないようにと思ったのかわかりませんが「検査のミスということも十分有り得る。至急また血液検査を受けてみて」ということに。もちろん2度目も測定不能。そうして、やっと、本当にやっと、身体に異変があることに気付けたのです。

その後、紹介されたキャンパス外(といっても、スタンフォードメディカルの一部。場所がキャンパス外というだけ)の内分泌(Endocrinology)専門医で有名な先生に見てもらい、他の血液検査もいくつか受け、仕舞にはスタンフォードメディカルセンター(世界水準の超がつくほどの立派な病院)内でアイソトープ検査という、微量の放射性物質を飲み込み翌日どれくらい体内に吸収されているか確認する検査まで受け、バセドウ病という診断になりました。

聞いた話では、特にアイソトープ検査は受けなくても、バセドウ病の診断はできるようです。私の場合は、バセドウ病と診断できる血液検査が陰性だったため(検査のタイミングにもよるし、個人にもよるらしい)、血液検査だけでは診断できませんでした。そのため、腫瘍の可能性もあり、アイソトープ検査を行ったという経緯になります。

最後のアイソトープ検査が終わった後、検査を担当くださった若くて金髪長身イケメン(真面目な時にごめんなさい)の放射線治療専門医から、バセドウ病だと申告され、治療法まで紹介いただきました。そして、この時、私は初めて、バセドウ病は一生向き合っていかなければならない病気だということを知ります。

もちろん、バセドウ病は治療法が確立されていることも良く説明いただいたし、知らなかっただけで女性には珍しくない病気とも教えていただいていました。それでも、元気の良さと健康が、自他共に認める私の取り柄だったために、頭を岩で殴られたような衝撃でした。もちろん診断されただけで、治療はまだ始まっていませんでしたし、精神状態も相変わらずだったというのもあるのでしょうが、あの時の自分の中の感情は、言葉には表せられません。

同時に、これまでずっと続いていた不調の原因がわかり、安堵したのも事実です。この時、渡米後6ヶ月目でした。

【治療法】
さて、バセドウ病の対処法は主に次の3つです。1)薬物療法、2)手術による甲状腺摘出、3)アイソトープ治療による甲状腺の機能停止、になります。

バセドウ病は、完治が難しい病気です。薬物療法は、あくまで甲状腺ホルモンの量をコントロールするもので、「治療」ではありません。また効果に個人差やムラがあったり、副作用もよくあるとのこと。ちなみに、3は放射性物質を投与し甲状腺を中から破壊し、甲状腺自体は物理的に存在しているものの機能は全くしていない状態にさせる治療になります。そのため、2と3では、その後一生、ホルモン剤を飲み続ける必要があります。

アメリカだと俄然3を勧められました。こちらでは3が主流のようです。2の手術はほとんど行われていないそう。特にスタンフォードにいたため、必要な施設がキャンパス内に全て揃っていたからかもしれません。

ただ、家族と遠く離れたアメリカで、一生に関係してくる重要な治療を決断する勇気も、治療からくるかもしれない副作用等をひとりで乗り越える自信も到底なく、私は1の薬物療法を選択しました。

最初の1週間程度は副作用(軽い頭痛、これまで以上の眠気、これまで以上の極度の疲労)がありましたが、これも副作用としては軽い方で、継続できました。体質によっては、継続できないくらい副作用がある方もいるようです。ホルモン亢進症を抑える薬は2種類ありますが、私はMethimazole(メシマゾーレ)を服用しています。服用後も、内分泌専門の先生と相談し、量を調整しています。

また、薬物療法では、完治はしないものの、2年間服用すると、50%の確率で甲状腺の機能が通常化するとも説明されました。再発の可能性はとても高いのですが、とにかく今はまず、その50%を信じて服用しています。もしダメだった時は、その時こそ2か3を選択しようかと考えています。

【その後/私見】
さて、こうして薬物療法を始めた私。
幸い、薬との相性が良いらしく、とても順調に、予想以上に順調に、私には効いています。服用後3週間後に受けた血液検査では既に甲状腺ホルモンの数値が、異常範囲ではあるものの減少していました。服用後1ヶ月後には、これまでが嘘のように気持よく目覚められるようになり、本当に久しぶりに心から笑う元気を取り戻せました。

そして、ここ最近は、集中力・興味・やる気も戻ってきて、今では勉強が楽しくて楽しくて仕方がありません。

これまでずっとペーパーを書くのにも、まず論理構成ができていないし、文章を書き始めても、単語ひとつ書いては手が止まり、ひと文書いたら横たわりという状態でした。それがある日ペーパーを書いていたら、これまで曇っていた頭の中が、突然澄み渡り、以前のように言葉が溢れ出てくるようになったと感じる決定的な瞬間がありました。涙が出ました。

病気になったことは受け止めていますが、正直今でも、なぜ今年じゃなきゃいけなかったんだろうとどうしても考えてしまい、悲しくなることもあります。本当は今のように積極的に勉強に1年間取組めたのだと思うと、ただただ悔しいです。
そのことをちらっとずっと支えてくれていた学校の職員の方に漏らしたことがあるのですが、そしたら”There is no perfect timing to be sick”と言われ、それも確かにと納得しました。病気になるのに良いタイミングなんて一生ありません。

少しポジティブに考えると、今年だったからこそ、スタンフォードメディカルという世界屈指の施設内で全ての検査を行えて、しかも強力な学生保険に加入していたため、高額の検査も破格の値段というより無料で受診できました。すごいことだと思います。

しかし、もう少し早期にわかる可能性は十分にありました。
全てを「ストレス」と片付けずに、「異変」と捉えて、せめて血液検査だけでも受けていれば。誰かがカウンセリングのみならず、病院にも行ってみてと言ってくれていたら。そして、何より、バセドウ病の症状について少しでも知識があれば。

そう思い、この記事も書いています。
もし周りで同じような症状で悩んでいる方がいたら、カウンセリングと同時に血液検査も勧めてあげてください。損はありません。

アメリカでもそこまでバセドウ病に対しての認知度は高くないです。病気のことを話すと知らない人が大半です。同時に、これは日米に共通していることですが、私のことを話すと、実は私の親/親戚/友人もそう、とバセドウ病や甲状腺の病気を患っている方が近くにいるという方も多いです。きっと知らないだけで、私の知人の中にもきっと甲状腺の病気の方はけっこういるのかもしれません。

【感謝】
最後にどうしてもこの場をお借りして、伝えなければならないことがあります。

それは、周りへの感謝です。

渡米後、元気を取り戻すまでの7ヶ月、正直に本当にとてもとても辛かったです。

その間、連絡くれた日本の友人たちに「勉強が楽しくない」「なんでここにきたのだろう」「何もしたくない」「休学するかも」と数えきれないほどの弱音をぶつけていました。きっと戸惑わせたと思います。ごめんね。
でも、いつも受け止めてくれて、ありがとう。信じてくれててありがとう。

良い歳なのに、親と連絡する際には、苛立ち⇒気力の低下⇒自分自身に絶望、していく過程をつい甘えて見せてしまっていました。どれくらい心配をかけたかわかりません。心配症の親の気持ちを考えると胸が張り裂けそうです。
元気を取り戻し、勉強が楽しくて仕方がないと伝えた時に涙してくれた母親。元気になって、レンタカーをして勝手にあっちこっち出かけていることを事後報告したら「これだから元気になると困るんだよなぁ」と、とても嬉しそうに笑顔で言う父親。そして、ずっと暖かい言葉で励ましてくれ勇気づけてくれていた兄は、それらのやりとりを満面の笑みで聞いていました。
皆本当にありがとう。私は元気です。でも、油断禁物を心に無理しないように気をつけるね。

そして、出会った頃から自分を見失っている私に対しても、優しくサポートしてくれたこっちでの友人たち。皆本当に頭が良くて、めちゃくちゃ優秀なのに、人間としても完璧過ぎるほど、良くできています。私の分野が教育だからなのか、周りの学生同士の競争心は全くなく、むしろ皆で手を取り合って、一緒に卒業しよう!ととてもポジティブです。勉強が全くできていない時も、「一緒に勉強しよう」と声かけてくれるアフガニスタン出身の友人、「美味しい紅茶があるの」と家に招待してくれるカリブ海出身の友人、課題について相談すると気前よく「私はこうしたよ」とヒントをくれた中国、香港、アメリカ人たち。皆がいなければ、とてもじゃないけど、ここまで来れませんでした。近しい友人たちには病気のことを話したら辛かったねと一緒に涙してくれ、また、これからが楽しみだね!と言ってくれました。今では授業中もバンバン発言しているし、「Ryokoは本当は冗談も言うし、すごく笑う人なんだね」と、皆も驚いています。

大学院留学、勉強のクォリティーのみならず、素晴らしい出会いに溢れています。良いですよ。

また、こっちに来てから、ずっと側で辛抱強く私を一番に信じてくれていた素敵な人とも出会えました。日本の地球の反対側から、耐震工学を勉強しに同じくスタンフォードへやってきた、多才でとても尊敬できる人です。自分のことでいっぱいいっぱいで、他人のことなんかこれっぽっちも考えられない状態だったので、ずいぶん迷惑をかけたとも思いますが、周りが異口同音で休学を私に勧める中、たったひとり、「どうせ休学するならあと一週間やってみたら?」と励まし続けてくれていました。「あと一週間」が続いていって、ついには病気が発覚し、今では卒業間近です。感謝してもしきれません。

他にも暖かくサポートしてくれた職員の方、お世話になっている素晴らしい知識と人格者である医者、そして迅速に対応してくださった奨学金関係者の方々の暖かい理解があって、ここまでやってこれました。本当に全てに感謝です。

人間、ひとりでは生きていけない、とか、健康があってこそ、と言いますが、これほど濃密にそれらを痛感することはこれまでありませんでした。病気があったからこそ気付けた人の優しさや暖かさがそこにはありました。今、私は胸を張って言います。

私は、バセドウ病です。そして、幸せです。

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最後に、バセドウ病については、この記事限りとします(そのため長くなりました)。これからは、少しずつスタンフォード情報を再開していけたらと思っています!撮り溜めている写真があるので♪
もちろんバセドウ病についても何かご質問等あれば、遠慮なくコメントください。

長い記事にお付き合いいただきまして、ありがとうございましたm(_ _)m